● これからは木造住宅でも構造計算(許容応力度計算)で安全を確認する時代です

         

2016年4月に発生した熊本地震では、建築後まもない木造住宅でも倒壊や大きな損傷を受けました。もちろん違反建築ではありません。ほとんどが法律に基づいた合法的な住宅です。ではなぜ大きな損害が出たのでしょうか。

木造二階建て以下の住宅に限っての話しですが、現行の建築基準法では一定規模以下であれば構造計算(許容応力度計算)を行って安全を検証する義務がありません。建築確認申請に至っては構造図面の添付義務もありません。云ってしまえば野放し状態で木造住宅が建っているのです。
建築基準法は建物の安全の最低基準を定めた法律です。構造計算を行わず最低の基準をクリアしたからと云って、熊本地震の様な想定外の地震が発生すれば合法な住宅でも決して安全とは言えません。

         

● 岡田一級建築士事務所は木造住宅を構造計算(許容応力度計算)で安全を確かめます

         

岡田一級建築士事務所では、建築基準法では構造計算(許容応力度計算)で安全を検証する必要のない木造住宅に対しても、構造計算(許容応力度計算)を行い力の伝達を正確に把握しながら構造設計を行って、より安心して住んでいただける住まいを提供しています。今後30年で南海・東南海地震が発生する確率は70%を超えると云われています。今から新築する家はほぼ間違いなく地震に遭遇する事が統計的に示されているのです。私たちは、後々の憂いを残さない為に勘や経験に頼らず構造計算によって建物の安全性を検証していきます。          

●構造別に考える地震に強い家造り

地震に抵抗する手段として、耐震構造、制震構造、免震構造に大別されます。これは木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造に共通する構造です。
単純に地震に抵抗する手段としてどれが最も優れているかだけを考えますと、免震>制震>耐震の順番となります。 しかし、費用的にどの構造が最も高価かとなると、これも免震>制震>耐震の順になるのです。
数十年に一度の地震に対してどれだけ投資すればよいのでしょう。もしかしたら一度も地震に遭遇しないうちに家の耐用年数が来てしまうかもしれません。ただ、東南海地震に代表される様に30年以内に7~8割の確率で発生すると政府が発表している地震もあり、家の寿命を考えると何らかの対策は講じていた方が無難です。
そこでそれぞれの構造について長所短所を検証してみましょう。          

●免震構造と耐震構造の比較実験映像

●安価だが不安の残る耐震構造

         

震度7の地震が来ると、一階は震度7で揺れ、二階では震度7の1.6倍にエネルギーが増幅されます。
一般に建築基準法の耐震強度を満足する構造の殆どがこの耐震構造です。
在来木造住宅では、筋交いや構造用合板等で耐力壁を造り壁で地震に抵抗するのが基本になっています。
耐震構造だからと云って何か特別な装置を付ける訳ではありません。
ただし、建築基準法以外の法律で、耐震強度を1.25倍(耐震等級2)や1.5倍(耐震等級3)にまで高めた耐震構造もあります。
熊本地震では耐震等級2の家が倒壊しています。予算が無くても、命の安全を担保するには最低でも耐震等級3以上の強度を確保しましょう。耐震等級3を取得しても、上手な構造設計をすれば、工事費的には殆ど上がる事はありません。         

●木造二階建てには効果に疑問の残る制震構造

         

震度7の地震が来ると一階では震度7、二階は震度7以上の揺れを感じます。
耐震構造の壁に制震装置を付加する事により、耐震壁の剛性が増し、一階の壁の揺れを抑え込む事が出来ます。そのことにより、二階の床は一階の床の揺れとさほど変わらない程度の揺れにまで軽減されます。

剛性は高まりますが、制振装置について建築基準法の規定が無く、メーカーが独自の判断で効果の検証を行っているにすぎません。つまりどの装置がどの様な地震に抵抗するのか不明確なのです。重力加速度(gal)に抵抗するのか、定速運動(kain)に抵抗するのか、超長期震動に効果を表すのか、これと言った指標が定められていない為、客観的な評価が出来ないのです。それでも熊本地震の様に連続で震度7の地震が発生する様な場合とか、木造3階建ての一階部分に設置した場合とかであれば、耐震構造よりも投資した費用程度は安全であると言えます。         

●価格は高いが効果も高い免震構造

         

震度7の地震が来ても、一階、二階共に、震度4程度まで揺れを軽減します。
耐震構造に制震構造は基本的に踏ん張って耐える構造ですが、免震構造は基礎より上の上部構造体に地震の力を伝えなくする工法です。
論理的には地震で全く揺れなくする事も可能ですが、そこまで敏感に作動させると、そよ風が吹いても揺れてしまい、返って不都合な事態が出てきますので、震度4~5強程度から免震する様な構造が一般的です。
免震構造は建築基準法で定めた耐震性能とは相反する発想の構造である為、告示により詳細な規定が定められており、大臣認定を取得した免震装置のみ使用が許されています。 その為特許等の権利関係が明確に存在し、誰もが簡単に利用できる状態ではありません。
その為中々普及はしませんが、阪神大震災以降地震の活動期に入ったと云われる現状で、新築工事を考えるならば免震住宅も視野に入れるべきです。        

■ 各構造の比較【震度7の地震が来た場合】
  耐震構造 制震構造 免震構造
二階の揺れ 震度7の1.6倍のエネルギーで 揺れます 震度7以上の揺れを感じます 震度4程度の揺れを感じます
一階の揺れ 震度7の揺れを感じます 震度7の揺れを感じます 震度4程度のゆれを感じます
建物の損傷 耐震等級が低ければ倒壊 の恐れがあります 制震装置は建物が変形しない と働きませんので損傷の恐れ があります 皆無または軽微です
人命 耐震等級が低ければ人命 が危険にさらされます 家具の転倒等で身に危険がお よびます 家の外より中の方が安全です
家財道具 固定しないと転倒します 固定しないと転倒します 不安定なもの以外は転倒しません
メンテナンス 一般にはしませんので劣化 します メーカーによりさまざまです 大臣認定条件として、メーカーごとにメンテナンスの基準が定められています
復旧費用 倒壊すれば建替えしなけれ ばなりません 外壁を中心に補修が必要です 災害時特別点検が必要です
地盤の性能 どの様な地盤でも建てられますが、軟弱な地盤は改良が必要です。 どの様な地盤でも建てられますが、、軟弱な地盤は改良が必要です。

液状化の恐れのある地盤には、地盤改良しても建てられません。

費用 構造設計を上手にすれば特別な費用は不要です 数十万円の費用が必要です。 性能の違いにより200万~700万円程度必要です。
津波 耐震構造でも津波には抵抗出来ません。 制震構造でも津波には抵抗出来ません。 基礎と上部構造が分離している為、他の構造よりも津波には弱いです。
火災 防火対策が必要です。 防火対策が必要です。 防火対策が必要です。